どん吉の部屋

少しお話を聞くだけのつもりだった。

70歳位の男性に声をかけた。

最初は不審な目でこちらを見ていたが、

自分が純粋に何故ホームレスになったかに興味があると説明し、

何らかの雑誌やTVの取材ではないと伝えた。


新宿駅東口のビルの前で、大勢の人が行きかう中

自分は地べたに座り、ホームレスの男性が

どうして今に至ったのか、『星守る犬』の主人公の男性ではないが、

実際に起こった出来事を生の声で聞いた。

ダンボールの集め方や利用方法、月に1～2回突然一斉撤去がある話、

炊き出しの情報等、生きていくための情報をしっかりと持っている。

最近亡くなったホームレスの情報。

普段はあまり他人と会話をしていないためか、

火がついたように自分の身の上話を話し始めた。

ホームレスの生活は16年ぐらいになるとのこと。


30分ぐらいすると、3ｍ先でしゃがんでこちらを気にしていた男性が話しかけてきた。

どうやら自分達の会話を聞きながら仲間に入りたかったようだ。

その男性は50歳ぐらいでアルコール依存症で、ホームレスになって2週間ぐらいの方だった。

詳しいことはブログでは書けないが、ともかく自分のことを話したくてたまらないようだった。


しばらくするとダンボールの囲いの中で、地べたに座りながら宴会が始まった。

70歳位の男性がお酒やつまみをどこからか調達し、（ごみではないです）

しきりに自分に飲んで食べるように誘われた。

何となく自分も仲間になったような気分でした。

こんな宴会でしたが3時間ぐらい経っただろうか？

最後には70歳ぐらいの男性が、50歳ぐらいの男性にこんな生活をしてはいけないと説教をしていた。